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A6C脳梗塞リスクマーカー

自覚症状がない、小さな脳梗塞をかくれ脳梗塞(無症候性脳梗塞)と言います。無症候性脳梗塞の方は、脳卒中、認知症になりやすいと言われています。

脳梗塞リスク評価の技術内容と学問的背景についてのやさしい解説

脳梗塞リスク評価の技術概要

脳梗塞リスク評価は、次の4つの観点からリスク値を総合的に算出して、評価をしています。細胞障害マーカー アクロレイン 炎症性マーカー(CRP)被験者の年齢 炎症性マーカーIL-6

リスク=かくれ脳梗塞の可能性は高値、境界値、低値の3種類で評価されます。リスク値高値の方、リスク値境界値の方、リスク値低値の方 リスクが高い方には、脳ドックなどの脳の検査をおすすめします。

脳梗塞リスク評価の学問的背景

ポリアミン Polyamine 当社の母体である千葉大学大学院薬学研究院・五十嵐研究室は、競争力の高い研究を実施する優れた研究室でした。当時の五十嵐研究室の取り組みのうち特に顕著だったものは、生物が生きるための必須の物質である「ポリアミン」を対象とした基礎生化学研究です。そのポリアミンの研究から、細胞を壊す病気と関連があるのではないか?と考えられるマーカーが発見され、さらに脳梗塞についての研究が進められました。各ポイントを順に見て行ってみましょう。

ポイント1 ポリアミン(スペルミン)は通常は細胞内で人間が生きていくために重要な働きをしていますが、細胞の外に出ると毒性の強いアクロレインをつくることがわかりました。スペルミンとアクロレイン 毒の図。普段は人間が生きていくために細胞内で大事な働きをしている。細胞が傷ついたり、壊れたりするとスペルミンは非常に毒性の強いアクロレインをつくる。

ポイント2 しかも、そのアクロレインの毒性は、近年細胞障害物質として有名となっている活性酸素(H2O2)よりも10倍以上強いことが分かりました。

ポイント3 マウスの脳を使って視覚的に見てみても、活性酸素よりアクロレインの方が毒性が強いことがわかりました。色が違いますね。

ポイント4 脳梗塞患者の方の発症後の血中アクロレイン量は、細胞が壊れるに従い(発症日数が経過し、画像に鮮明に表れるのに従い)増加していることが分かりました。(赤く囲った数字がアクロレイン量を示しています)

ポイント5 その他のいろいろなバイオマーカーよりも、アクロレインは脳梗塞の方をよく識別することが分かりました。

そこで、脳梗塞の発症前に、リスクの段階でリスク情報を提供できるマーカーとすることが出来ないか?と考え、さらに開発を進めました。

そこで注目したのが「無症候性脳梗塞」Silent Brain Infarction(SBI)自覚症状がない小さな脳梗塞をかくれ脳梗塞または無症候性脳梗塞と言い、かくれ脳梗塞の方は、脳卒中・認知症になりやすいといわれています。

ポイント6 無症候性脳梗塞の方は、そうでない方に比べて、向こう7年間のうちに10倍程度、脳梗塞の発症リスクが上がることが他の研究チームのデータで示されています。無症候性脳梗塞は脳梗塞のリスクです。

無症候性脳梗塞(かくれ脳梗塞)=リスク 簡単にリスク情報を把握するマーカー開発を目的としました。

ポイント7 精度よく脳梗塞のリスクを把握できるように、さらに研究開発を進めて、脳梗塞時には(1)アクロレインがニューロンやマクロファージ、内皮細胞のIL-6産生を誘導し、(2)産生されたIL-6が肝臓においてCRPの産生を誘導する という2つの段階を踏むことが分かりました。

Brain Infarction Macrophage IL-6 Neuron Endothelium Hepatocyte CRP

ポイント8 千葉大学医学部付属病院等と共同し、約900例の臨床研究を実施しました。

ポイント9 その結果、アクロレイン、IL-6、CRPの3種のマーカーと、被験者の年齢を考慮に入れた独自のリスク算出方法により、約85%の制度で無症候性脳梗塞の検出が可能となりました。

約85%の制度で、無症候性脳梗塞の検出

当社のサービスは、以上のような研究に支えられています。これまでの取り組みや複数の国際誌への論文報告により、国際誌 Mol Nutr Food Resより総説寄稿依頼が寄せられ、弊社より寄稿し、Mol Nutr Res 55 1332 2011 に掲載されました。また、国際動脈硬化学会のウェブサイトの9月のコメンタリーに私共の脳梗塞リスクマーカーが取り上げられ、Commeataries 1060 2011に掲載されています。

画像診断とは何が違うの?

健康な方とかくれ脳梗塞の方 高リスク者多数
脳梗塞リスク評価は、「血液分析」によって、かくれ脳梗塞の可能性を探る”安価・簡便”な検査です。この新しい検査方法は、脳梗塞患者さんの血液内で高くなることが分かっている、細胞を傷つける”アクロレイン”と炎症マーカー2種を測定します。

ご注意

当サービスは脳梗塞リスクに関する情報を提供するものであり、脳梗塞を診断するものではありません。評価結果に関してご不明な点がございましたら、サービスを実施した医療機関の医師までご相談ください。